バッハ:前奏曲とフーガ ト短調 BWV535
ヴァルヒャ:1950年6月9日録音
Bach:前奏曲とフーガ ト短調 BWV535
オルガニスト、バッハの腕の見せ所・・・だったのかな?
この作品の前奏曲は3つの部分に分かれるそうです。
まずは、手鍵盤の合間に足鍵盤がアクセントのようにはいる導入部。次は、手鍵盤のみで演奏される中間部。この中間部では32分音符が連なる早いパッセージがオルガニストの腕の見せ所だそうで、とくに半音階的に下降していく部分は半小節ごとに鍵盤を交替させて音色を変える必要があるようでかなりのテクニックが求められます。
そして、終結部では再び足鍵盤が追加されて華やかに締めくくられます。
まさに、オルガニスト、バッハの腕前を披露するにはピッタリの作品だったようです、・・・なんて思ったのですが、専門家の言によるとわりあい演奏しやすい部類にはいるそうです。ただし、聞き映えのする作品であることは間違いなく、聞き手をうならせる効果は十分にあります。
作曲年代については特定されていませんが、オルガニストとして活躍したヴァイマール時代の作品であることについては間違いないようです。
ヴァルヒャ略歴
ライプチヒで1907年に生まれています。16才で失明するものの、ライプチヒ音楽院でギュンター・ラミーンに師事して1924年にオルガニストとしてデビューします。さらに、1926年には聖トーマス教会のオルガニストにも就任します。
第2次大戦後には三王教会のオルガニストにも就任し、165曲にもの上るバッハのオルガン作品の演奏と講義を行いました。彼の演奏は外面的な効果で作品を彩ることを拒絶し、きわめて厳格で峻厳なバッハ像を作り上げることで、バッハをロマン主義的歪曲から救い出したと評されています。
その後、10年近くにもわたって続けられたバッハのオルガン作品の録音は、長くバッハ演奏のスタンダード的な位置を占めてきました。
1991年にフランクフルトで没。
よせられたコメント
2009-09-19:カンソウ人
- オルガンの音に細かいビブラートが付いている。これはこれできれいなのですが、バロック的でしょうか?演奏は作曲者バッハとの対話という点では、並ぶものはないように思います。楽譜を見ているような気がしてきます。主観を排していて気持がよいです。音楽学的な研究の発展は、このような演奏を聴いての感動がないと進まないかもしれないですね。主観的な演奏者個人の感情の押しつけがないこと、テキストの尊重が素晴らしいです。
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