ベートーベン:ピアノソナタ第1番
シュナーベル 1934年4月23&24日録音
Beethoven:ピアノソナタ第1番「第1楽章」
Beethoven:ピアノソナタ第1番「第2楽章」
Beethoven:ピアノソナタ第1番「第3楽章」
Beethoven:ピアノソナタ第1番「第4楽章」
ハイドンに献呈されたピアノソナタ
ボン時代にベートーベンはハイドンと知り合います。イギリスに招かれての行き帰りの時です。
若きベートーベンの才能を認めたハイドンはウィーンに出てきて自分のもとで学ぶようにすすめます。喜んだベートーベンは選定侯の支援もあって飛ぶようにウィーンに向かいます。
ハイドンがイギリスからの帰りにベートーベンと出会い、ウィーン行きをすすめたのが1792年の7月です。そのすすめに応じてベートーベンがウィーンに着いたのが同じ年の11月10日です。当時の社会状況や準備に要する時間を考えれば、ベートーベンがどれほどの期待と喜びをもってウィーンのハイドンのもとにおもむいたのかが分かります。
しかし、実際にウィーンについてハイドンのもとで学びはじめるとその期待は急速にしぼんでいきます。偉大な選手が必ずしも偉大なコーチにならないとのと同じで、偉大な作曲家ハイドンは決して教師に向いた人ではなかったようです。
おまけにベートーベンの期待があまりにも大きく、そして、ベートーベン自身もすでに時代を越え始めていました。
ハイドンの偉大さは認めつつも、その存在と教えを無批判に受け入れるというのはベートーベンには不向きなことでした。それよりは、自分が必要と思うものをクールに受け取れる存在の方がよかったようです。
そこで、ベートーベンはサリエリ(映画アマデウスのおかげで凡庸な作曲家というイメージが定着してしまいました)やアレブレヒツベルガーなどから作曲理論を学ぶようになり、結局は翌年の春にはハイドンのもとを去ることになります。
この作品番号2としてまとめられている3曲のピアノソナタは、そのような若き時代の意気軒昂たる姿がうかがえて興味深い作品です。そして、世上噂されるハイドンとの不和も、これらの3曲がハイドンに献呈されていることを考えると、決定的なものではなかったようです。
ちなみに、この3曲が完成したのは1795年と言われているが、作品の着想そのものはボン時代にさかのぼるそうです。それが、イギリスでの大成功をおさめてウィーンに帰ってきたハイドンに謝意を示すために一気に完成されたと言われています。
ピアノソナタ第1番 ヘ短調 Op.2−1
第1楽章
アレグロ ヘ短調 2分の2拍子 ソナタ形式
第2楽章
アダージョ ヘ長調 四分の三拍子 展開部を欠いたソナタ形式
第3楽章
アレグレット ヘ短調 4分の三拍子 メヌエット
第4楽章
プレスティッシモ ヘ短調 2分の2拍子 ソナタ形式
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