クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

シューベルト:交響曲第6番 ハ長調 D589

ビーチャム指揮 ロンドンフィル 1944年録音





Schubert:交響曲第6番「第1楽章」

Schubert:交響曲第6番「第2楽章」

Schubert:交響曲第6番「第3楽章」

Schubert:交響曲第6番「第4楽章」


過渡期の作品

シューベルトの初期作品は交響曲という形式であっても身近な演奏団体を前提として作曲された作品です。この身近な演奏団体というのは、シューベルト家の弦楽四重奏の練習から発展していった素人楽団であろうといわれています。
しかし、対のように作曲されたこの4番と5番の交響曲は、その様な身内のための作品でありながら、次第にプロの作曲家として自立していこうとするシューベルトの意気込みのようなものも感じ取れる作品になってきています。とりわけ、この第5番の交響曲では、以前のものと比べるとよりシンプルでまとまりのよい作品になっていることに気づかされます。もちろん、形式が交響曲であっても、それはベートーベンの業績を引き継ぐような作品でないことは明らかですが、それでも次第次第に作曲家としての腕を上げつつあることをはっきりと感じ取れる作品となっています。

この作品を完成させた頃に、シューベルトはイヤでイヤで仕方なかった教員生活に見切りをつけて、プロの作曲家を目指してのフリーター生活に(もう少しエレガントに表現すれば「ボヘミアン生活」に)突入していきます。
そして、これに続く第6番の交響曲は、シューベルト自身が「大交響曲 ハ長調」のタイトルを付け、私的な素人楽団による演奏だけでなく公開の場での演奏も行われたと言うことから、プロの作曲家をめざすシューベルトの意気込みが伝わってくる作品となっています。また。この交響曲は当時のウィーンを席巻したロッシーニの影響を自分なりに吸収して創作されたという意味でも、さらなる技量の高まりを感じさせる作品となっています。
その意味では、対のように作曲された4番と5番のの交響曲、さらにはプー太郎になって夢を本格的に追いかけ始めた頃に作曲された第6番の交響曲は、シューベルトにとっては様々な意味において「過渡期」の作品だったといえます。

上手いものです・・・。


ビーチャムという人はシューベルトやモーツァルトの初期作品を振ると実にいい演奏を聞かしてくれます。
こういう作品は一生懸命がんばっていい演奏をしても、それで聞く人を感動のるつぼにたたき込むというのはどだい無理な話ですから、いわゆる「大家」という人はあまり演奏したくないようです。
かといって、二流の演奏家が「それなり」に演奏すると、これは「それなり」の演奏にはならなくて実に「つまらない」音楽になってしまいます。

おそらく、こういう作品を演奏するときは「愛」がないと駄目なんだろうと思います。その意味では才能は一流でありながらギラツイタ「野心」というものとは全く無縁だったビーチャムのような人でないと、なかなかこのようには演奏は出来ないのかもしれません。

よせられたコメント

【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2026-08-04]

メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ第1番 変ロ長調, Op.45(Mendelssohn:Cello Sonata No.1, Op.45)
(Cell)ルートヴィヒ・ヘルシャー:(P)ハンス・アルトマン 1959年発行(Ludwig Hoelscher:(P)Hans Altmann Published in 1959)

[2026-08-02]

ディーリアス:別れの歌(Delius:Songs of Farewell)
マルコム・サージェント指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 ロイヤル・コーラル・ソサエティ 1964年4月22日~23日録音(Sir Malcolm Sargent:Royal Philharmonic Orchestra Royal Choral Society Recorded on April 22, 1964)

[2026-07-30]

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調, Op.40(Rachmaninov:Piano Concerto No.4 in G minor, Op.40)
(P)レナード・ペナリオ:アンドレ・プレヴィン指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 1964年10月3日録音(Leonard Pennario:(Con)Rene Leibowit London Symphony Orchestra Recorded on October 3, 1964)

[2026-07-29]

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調, Op.1(Rachmaninov:Piano Concerto No.1 in F-sharp minor, Op.1)
(P)レナード・ペナリオ:アンドレ・プレヴィン指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 1964年10月2日録音(Leonard Pennario:(Con)Rene Leibowit London Symphony Orchestra Recorded on October 2, 1964)

[2026-07-27]

バルトーク:ピアノのための組曲 Sz.62 Op.14(Bartok:Suite for Piano, Op.14)
(P)ジェルジ・シャーンドル:1951年1951年9月19日録音(Gyorgy Sandor: Recorded on September 19, 1951)

[2026-07-25]

エルガー:「ゲロンティアスの夢」第2部 (Elgar:The Dream Of Gerontius, Op. 38 Part2)
マルコム・サージェント指揮 ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団 (T)リチャード・ルイス (MS)マージョリー・トーマス (Br)ジョン・キャメロン ハダースフィールド合唱協会 1954年11月4日~6日録音(Sir Malcolm Sargent:Liverpool Philharmonic Orchestra (T)Richard Lewis (MS)Marjorie Thomas (Br)John Cameron Huddersfield Choral Society Recorded on November 4-6, 1954)

[2026-07-24]

エルガー:「ゲロンティアスの夢」第1部 (Elgar:The Dream Of Gerontius, Op. 38 Part1)
マルコム・サージェント指揮 ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団 (T)リチャード・ルイス (MS)マージョリー・トーマス (Br)ジョン・キャメロン ハダースフィールド合唱協会 1954年11月4日~6日録音(Sir Malcolm Sargent:Liverpool Philharmonic Orchestra (T)Richard Lewis (MS)Marjorie Thomas (Br)John Cameron Huddersfield Choral Society Recorded on November 4-6, 1954)

[2026-07-22]

J.S.バッハ:カンタータ第202番「いまぞ去れ、悲しみの影よ」 (結婚カンタータ)BWV.202(J.S.Bach:Weichet nur, betrubte Schatten, BWV 202)
カール・ミュンヒンガー指揮 (S)シュザンヌ・ダンコ (Ob)フリッツ・フィッシャー (Vn)ヴェルナー・クロツィンガー (Cemb)ジェルマン・ヴォーシェ=クレール シュトゥットガルト室内管弦楽団 1953年録音(Karl Munchinger:(S)Suzanne Danco (Ob)Fritz Fischer (Vn)Werner Krotzinger (Cemb)Germaine Vaucher-Clerc Stuttgarter Kammerorchester Recorded on 1953)

[2026-07-20]

ベートーヴェン:魔笛の主題による12の変奏曲, Op. 66(Beethoven:12 Variations on Ein Madchen oder Weibchen from Mozart's Die Zauberflote in F Major, Op. 66)
(Cello)モーリス・ジャンドロン (P)ジャン・フランセ 1966年11月録音(Maurice Gendron:(P)Jean Francaix Recorded on November, 1966)

[2026-07-17]

サンマルティーニ:チェロ・ソナタ ト長調(Sammartini:Cello Sonata in G major)
(Cello)レナード・ローズ:(P)レオニード・ハンブロ 1953年5月11日~12日録音(Leonard Rose:(P)Leonid Hambro Recorded on May 11-12, 1953)

?>