クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

レオポルド・モーツァルト作(エトムント・アンゲラー作というのが最近では有力):おもちゃの交響曲

カラヤン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1957年4月録音





L_Mozart:おもちゃの交響曲 「第1楽章」

L_Mozart:おもちゃの交響曲 「第2楽章」

L_Mozart:おもちゃの交響曲 「第3楽章」


エトムント・アンゲラーの作というのが最近は有力です

あまりにも有名な作品で、小学校の入学式の入場曲などにもよく使われます。しかし、この有名な作品の作曲家に関しては長年「謎」のままでした。
当初は、この作品はハイドンのものとされていたのですが、聞いて分かるように、音楽職人ハイドンの作としてはあまりにも単純にすぎます。そんなわけで、一応ハイドン作とされながらも、みんなは「違うだろうな!」と思いつつ、その定説を受け入れていたのです。
ところが、モーツァルトのお父さんであるレオポルドの作品が20世紀になってから発見されたことによって、そんな状態に大きな変化が起きます。1951年にレオポルトの作とされるカッサシオン(全7曲)がりバイエルン州立図書館から発見され、その一部が「おもちゃの交響曲」と同一であることが判明したのです。
これを持って、「おもちゃの交響曲」はレオポルドの作品として認知され、今ではレオポルド・モーツァルト作 「おもちゃの交響曲」が定説となっています。
ところが、事態はさらに思わぬ展開を見せます。
1991年、チロルの修道院で「おもちゃの交響曲」の古い筆写譜が発見されたのです。そして、その筆写譜には同じチロル出身の作曲家、エトムント・アンゲラーが作曲したとコメントがされていたのです。
参考までに、これがその発見された筆写譜の表紙だそうです。



このエトムント・アンゲラーなる作曲家は今では全く忘れ去られた存在なのですが、いくつかの作品が残されています。そして、その残された作品を調べてみると、この「おもちゃの交響曲」と類似する部分が数多いそうなのです。ですから、専門家の間では、エトムント・アンゲラーの作品とする考え方の方が有力となっています。

とは言え、自筆譜が未だに発見されていない以上、最終的な結論とすることには未だ躊躇いがあります。
さてさて、今後もさらに新たな展開があるのでしょうか。

一切の手抜きをしないで、すっきりと仕上げるあたりは実に好感が持てます。


同じ事を何度も繰り返して申し訳ないのですが、カラヤン&フィルハーモニア管のコンビはホントにいいですね。それは、こういうライト・クラシックのような作品を演奏しても一切の手抜きをしないで、すっきりと仕上げるあたりは実に好感が持てます。
面白いのは第3楽章。簡単なメロディを三回繰り返すだけのシンプルな構成なのですが、ポイントはテンポがどんどん速くなっていくこと。最初はアレグロ・モデラートで始めて、それがアレグロ、プレストと変化していきます。これを一切の手抜きなしに大真面目に演奏しています。最後はとんでもないテンポになるのですが、一切の破綻なしにものの見事に演奏しきるフィルハーモニア管に拍手です。

よせられたコメント

2009-08-28:Sammy


2023-01-12:コタロー


【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2024-05-27]

ショーソン:協奏曲 Op.21(Chausson:Concert for Violin, Piano and String Quartet, Op.21)
(Vn)ジャック・ティボー (P)アルフレッド・コルトー 弦楽四重奏団[(Vn)イスナール・ヴルフマン,ヴラディーミル・ヴルフマン (Va)ジョルジュ・ブランパン (Cello)モーリス・アイゼンバーグ] 1931年7月2日録音(Jacques Thibaud:(P)Alfred Cortot (vn)Isnard Voufman,Vladimir Voulfman (va)Georges Blanpain (vc)Maurice Eisenberg Recorded on July 2, 1931)

[2024-05-25]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 K.159(Mozart:String Quartet No.6 in B-flat major, K.159)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-05-23]

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488(Mozart:Piano Concerto No. 23 in A major, K.488)
(P)マルグリット・ロン:フィリップ・ゴーベール指揮 パリ交響楽団 1935年12月13日録音(Marguerite Long:(Con)Philippe Gaubert The Paris Symphony Orchestra Recorded on December 13, 1935)

[2024-05-21]

ボッケリーニ:チェロ協奏曲第9番 G.482(Boccherini:Cello Concerto No.9 in B flat major, G.482)
(Cell)ガスパール・カサド:ルドルフ・モラルト指揮 ウィーン・プロ・ムジカ管弦楽団 1958年発行(Gaspar Cassado:(Con)Rudolf Moralt Vienna Pro Musica Orchestra Released in 1958)

[2024-05-19]

ブラームス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番ト長調 Op.78(Brahms:Violin Sonata No.1 in G major, Op.78)
(P)ロベール・カサドシュ:(Vn)ジノ・フランチェスカッティ 1951年1月4日録音(Robert Casadesus:(Vn)Zino Francescatti Recorded on January 4, 1951)

[2024-05-17]

リスト:ペトラルカのソネット104番(Liszt:Deuxieme annee:Italie, S.161 Sonetto 104 del Petrarca)
(P)チャールズ・ローゼン 1963年12月録音(Charles Rosen:Recorded on December, 1963)

[2024-05-15]

サン=サーンス:ハバネラ Op.83(Saint-Saens:Havanaise, for violin & piano (or orchestra) in E major, Op. 83)
(Vn)ジャック・ティボー (P)タッソ・ヤノプーロ 1933年7月1日録音(Jacques Thibaud:(P)Tasso Janopoulo Recorded on July 1, 1933)

[2024-05-13]

ヨハン・シュトラウス:皇帝円舞曲, Op.437(Johann Strauss:Emperor Waltz, Op.437)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1962年録音(Jascha Horenstein:Vienna State Opera Orchestra Recorded on December, 1962)

[2024-05-11]

バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番 Sz.119(Bartok:Piano Concerto No.3 in E major, Sz.119)
(P)ジェルジ・シャーンドル:ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1947年4月19日録音(Gyorgy Sandor:(Con)Eugene Ormandy The Philadelphia Orchestra Recorded on April 19, 1947)

[2024-05-08]

ハイドン:弦楽四重奏曲第6番 ハ長調 ,Op. 1, No. 6, Hob.III:6(Haydn:String Quartet No.6 in C Major, Op. 1, No.6, Hob.3:6)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1931年12月2日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on December 2, 1931)

?>