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PCオーディオを始めよう

本格的にPCオーディオをスタート!まずは「オーディオインターフェイス」を用意しよう!

あなたが、ある日突然、PCオーディオに挑戦しようと思い立ったとします。その時、まずは何を用意すればいいでしょうか?
とりあえず、ひと揃いのオーディオコンポを所有しているとすると、必要なものはPCとオーディオインターフェイスだけです。そして、PCも音楽再 生専用のPCが用意できればベストなのですが、とりあえずPCオーディオの世界を覗いてみたいと思うならば、手持ちのPCで何の問題もありません。ですか ら、最低限必要なものはオーディオインターフェイスだけと言うことになります。

では、オーディオインターフェイスとは何か?と言うことなのですが、簡単に言うと、PCとオーディオ機器の仲立ちをするツールだと言えます。
言うまでもないことですが、PCにはオンボードで音声の出力端子がついています。その端子から直接オーディオ機器に接続しても音は出ます。しか し、これはやってみれば分かることですが、実に酷い音がします。そして、その事を持ってPCで聞く音楽は音質が悪いと言われたりするのですが、あれはオン ボードのサウンド機能があまりにもプアに過ぎるからであって、キチンとした形で音楽データをPCから外に持ち出せばCDプレーヤーにも負けないほどの能力 を発揮してくれる、と主張するのがPCオーディオの世界なのです。そして、その、キチンとした形で外部に音楽データを持ち出してくれるのが「オーディオイ ンターフェイス」なるツールなのです。

PCオーディオの世界で音を出すために以下のような構成と手順が最低限必要です。

PC(CDから音楽データをリッピングする)①
→PC(リッピングしたファイルを再生ソフトを使って外部に送り出す)②
→オーディオインターフェイス(PCから送り出されたデジタル情報を受け取ってオーディオ機器に渡す)③
→DAコンバーター(受け取ったデジタル情報をアナログ情報に変換する)④
→アンプ
→スピーカー

このうち、①~④までが、通常のオーディオの世界ではCDプレーヤーが1台でこなしてくれます。
ややこしいと言えば実にややこしい話なのですが、そのややこしさが音質の向上に寄与するわけであって、さらに言えば、そのややこしさの中にこそデジタル化で失われていたオーディオの趣味性が復活する余地があるのです。
と言うことで、とりあえずはオーディオインターフェイスを用意することになるのですが、実はここで無視できない難問が立ちふさがることになるのです。

PCオーディオの世界の必需品、それがASIOドライバーです。

PCでオーディオを扱うときに最大のネックとなるのが、Windowsの「カーネルミキサー」と呼ばれるものです。
PCが扱う音楽ファイルには様々な種類があります。しかし、実際にPCを操作していてその様な違いを意識することはほとんどありません。何故な ら、Windowsでは音声データは全て「カーネルミキサー」と呼ばれるところを通過するように設計されていて、その「カーネルミキサー」においてビット 数やサンプリングレートの違いなどを吸収しているからです。
便利と言えば実に便利なのですが、実はPCオーディオに挑むものにとってはここに深刻な問題が発生します。
それが「カーネルミキサー」のクオリティに関わる問題です。
基本的にPCは音楽再生に特化したツールではありません。ですから、「カーネルミキサー」に音楽再生にも耐えられるほどのクオリティを期待するの は無理です。事実、「カーネルミキサー」のクオリティは「とりあえず音が出ればOK!」というレベルのものです。ですから、どれほどの注意力を持ってCD から音楽情報をリッピングしても、そのリッピングしたファイルを「カーネルミキサー」を通してしまったのでは、せっかく注意して汲み上げた清水に泥水を ぶっかけるようなものです。ですから、PCオーディオを志すものにとっては、「カーネルミキサー」はどんなことがあっても迂回しないといけないのです。
ところが、なんと!・・・Windowsにはその仕組みが用意されていないのです。
Windowsにはいくつか我慢の出来ない部分がありますが、この「カーネルミキサー」をパス出来ない仕様もその様な「我慢できない」部分の一つです。
しかし、PCを音楽再生のツールとして使うのならば、何があってもこのWindowsの「仕様」をクリアする必要があるのです。では、そんなこと が出来るのかというと、答えは「YES」で、その心強い味方が「ASIOドライバー」と呼ばれるものなのです。「ASIO」は「アジオ」と読み、ドイツの スタインバーグという会社が開発したものです。
何をするのかと言えば、プロ的にはいろんな事が出来るらしいのですが、アマチュアの「聴き専」にとっては、Windowsの「カーネルミキサー」をパスして、音楽のデジタル情報を速やかにパソコンの外に送り出してくれるということに尽きます。
ですから、オーディオインターフェイスや音楽再生のためのソフトを考えるときに、絶対にはずせない条件がこの「ASIO」に対応しているかどうか です。どれほど魅力的で使い勝手のいいものであっても、PCオーディオを志すものにとって「ASIO」に対応していないというのは、その時点で100%選 択の対象から外されることになります。

オーディオインターフェイスを選ぶ上でのいくつかの留意点

日本国内でPCオーディオに対して最も熱心なメーカーはオンキヨーです。その熱意には頭が下がるものがあり、個人的には応援したい気持ちはあるのですが、何故か、「ASIO」に対応することを頑なに拒否しています。
おそらくは、ライセンス絡みの問題があると思うのですが、実に残念なことです。
ただし、最近になって、Windows Vistaの音量ミキサーをバイパスし、音声信号をダイレクトで伝送する「PDAP(Pure Direct Audio Path)」という提案を打ち出してきています。技術的なことは詳しくは分かりませんが、カタログなどを読む限りはASIOと同じようなはたらきをするよ うです。ただし、この新技術に対応している再生ソフトはオンキヨーのものだけですから、そのあたりがかなり苦しいことには変わりはありません。
ですから、とても残念なのですが、PCオーディオのインターフェイス選びにあたってはオンキヨー製は除外せざるを得ません。

それ以外にもインターフェイスを選ぶ上でいくつか留意すべき点が二つほどあります。
一つはPCとの接続がUSB接続なのかFireWire(IEEE1394)接続なのかという点です。

USB接続

FireWire接続

一般的にプロ用の高価な機器はFireWire接続であり、USB接続の機器は入門用という雰囲気があります。しかし、USB接続もUSB 2.0になってからは転送スピードでFireWire接続に肩を並べるようになり、かつてほどの差はなくなりつつあるように思えます。USB 1.0では最大データ転送速度が12Mbit/sでしたが、USB 2.0では480Mbit/sと飛躍的に向上してFireWire接続と全く遜色がありません。さらに、今年に入ってUSB 3.0の仕様が発表され、最大データ転送速度が5Gbit/sになるそうですから、今後はこちらが主流になるのかもしれませんから、あまり接続の問題は深 く考える必要がないのかもしれません。
それよりは、少し旧い型のPCだとオンボードでFireWire接続の端子が用意されていないことがあるので、そちらの方が問題になるかもしれ ません。無理をしてFireWire接続の端子を増設してFireWire接続のインターフェイスに対応する必要はないのかもしれません。

第2の問題はデジタル出力の有無とその出力端子の形式が何かということです。実は「ASIO」対応の次に重要なポイントがこのデジタル出力に関わる問題です。
当然のことながら、デジタルの出力端子がなくても全てのオーディオインターフェイスにはDAコンバーターが内蔵されていますから、アナログの出力 端子からアンプに接続すれば音は出ます。しかし、本格的にPCオーディオを志すならば、ここはデジタル出力から単体のDAコンバーターにつなぎたいので す。
確かに、クオリティの点で内蔵されているDAコンバーターと単体のDAコンバーターでは雲泥の差があるという事もあります。しかし、それ以外に も、かつてのアナログ時代にレコードプレーヤーのカートリッジをあれこれと交換して音作りをしたという趣味性に通ずる楽しみがここにあるからです。
私は、メインでBenchmarkのDAC-1を使っていますが、サブとしてPARASOUNDのD/AC-800を使っています。メインの方 はギチギチの高解像度のコンバーターですが、サブの方はほんわかムードの雰囲気重視の音作りです。オーディオは高解像度をベースにしてセッティングなどの 使いこなしで音作りをしていくのが基本ですから、当然のことながらメインはBenchmarkのDAC-1なのですが、音楽によってはサブの PARASOUNDの方を使います。言葉は悪いですが、年増女のボーカルなどはツボにはまると絶品です。
ですから、オーディオインターフェイスにはデジタル出力は必須です。
次に、問題なのはこの出力端子が光か同軸かという問題です。安価なインターフェイスには光出力しか用意されていないものが多いのですが、残念なが ら音質という点では同軸出力に一歩譲ります。ですから、同軸出力が2系統以上装備されているインターフェイスがベストなのですが、なかなかその様な機器は 見あたりません。ですから、最低限、同軸と光の出力端子が一つずつ用意されてあれば良しと妥協するしかないようです。

Benchmark DAC-1


PARASOUND D/AC-800

と、言うことで、以上のことをまとめると、オーディオインターフェイス選びのポイントは以下のようになります。

1.「ASIO」に対応していること。(必須)
2.デジタル出力が装備されていること。(必須)
3.デジタル出力の形式が同軸であること。(必須)
4.できれば、デジタル出力が2系統以上用意されていること。その2系統が同軸であればベストだが、片方が光でもとりあえずは良しとする。
4.FireWire接続の時は、PCが対応していることを確認。対応していないときはUSB接続のものを選ぶ方が無難。

私の場合は、以上の要件を最低限満たしているものと言うことで、E-MU ( イーミュー ) /0404 USB・・・実売価格23000円程度のものを使っています。


価格的にはホンの入門用程度のものなのですが、性能的には充分かなと思います。
詳しくはこのあたりを 参考にしてもらえればと思いますが、魅力的だったのは同梱のソフトとして「SONAR LE」や「Cubase LE」、さらには24bit/96kHz対応の波形編集ソフト「Wavelab Lite」などがついていることです。おそらくこれらのソフトだけでも本体価格を超えるはずです。

なお、インターフェイスの有名どころとしては以下のようなメーカーがあります。

M-AUDIO
EDIROL
RME
Digidesign
Apogee(Mac専用)
PreSonus

これらのメーカーの機器は価格もそれ相応のものが多いのですが、クオリティは高くてとても魅力的です。ただし、基本的にスタジオでの録音用として 使うことを前提としているので、「聴き専」の人間にとっては「不要」な機能がてんこ盛りな点です。今後、PCオーディオが普及すれば、その様な「不要」な 機能をカットして音楽再生だけにコストを注入したホームユースのオーディオ機器としてのインタフェースが登場することを期待したいと思います。

CDから音楽ファイルをリッピングしよう!に続く