WAVEファイルにタグ情報を埋め込む

WAVEに「タグ情報」を埋め込むのはそれほど簡単な話ではない

正直申し上げて、可逆圧縮ファイルをめぐる話題でここまで盛り上がるとは思いませんでした。
確かに、一昔前ならば「可逆」で、さらにファイルサイズを半分程度に圧縮できることは大きなメリットのように思えましたが、HDの大容量化と低価格化が一気に進んだ今となっては、ファイルサイズの問題はそれほど大きな問題ではなくなっています。
2年ほど前に「あちこちのネットショップをのぞいてみると、1TBの NASサーバーで10万円を切り始めていますから、もう少し立てば半値程度にはなるでしょう。」などと書いていたのですから隔世の感があります。

ですから、ユーザーの側にとってWAVEかFLACかの選択のポイントは「ファイルの容量」ではなくて「タグ情報」が使えるかどうかが一番重要なポイントなってきています。
おそらく、WAVEで「タグ情報」が使えるならば、「趣味の世界」としてならば、あえてFLACを使う必要はないかと思います。ただし、技術論的には非圧縮ファイルと可逆圧縮ファイルの音質の差異というのは「突っ込み甲斐」のある課題のようではあります。

ところが、WAVEに「タグ情報」を埋め込むのはそれほど簡単な話ではないようなのです。

まずは、「タグ情報」の編集ソフトとしては「STEP (SuperTagEditor 改造版)」が有名です。
個人的にはFLACの「タグ情報」はこのソフトで編集しています。エクセルと同じような感覚で編集できるので、大量のファイルを一気に編集するときには威力を発揮します。
ところが、このソフトで「タグ情報」を書き込むと、FLACの場合は「GMPC」で表示されるのですがWAVEの場合は全く反映しません。事情はiTunesやWindows Media Playerでも同じです。
ただし、「SoundPlayer Lilith」のように、こういうソフトで書き込んだタグ情報が「表示」できる再生ソフトもあったりするので困ってしまいます。

「SoundPlayer Lilith」の掲示板には次のようにコメントされています。

「WaveファイルはRIFF形式が標準ですが、RIFFには正式なタグ情報サポートがあります。・・・WindowsのSDKにも、以下の内容で定義されています。・・・Itunesはともかく、WMPで読み込めないのは納得がいきませんねぇ。」

ところが、このコメントがいまいちよく理解できないのです。

「WAV ファイルフォーマット」というページには

「WAVEで使われる主なタグ」として、「フォーマット定義・波形データ・全サンプル数・コメントや著作権情報」の4つがあると書かれています。
そして、それぞれで使えるサイズは4 byteだと解説されています。
これが正しければ、私たちが必要なタグ情報は「コメントや著作権情報」の中に埋め込むことになると思うのですが、4 byteでは到底お話になりません。(日本語なら2文字です^^;)
このタグ情報の中に「SoundPlayer Lilith」が表示するようなタグ情報が収納できるとは思えません。ですから、「SoundPlayer Lilith」がWAVEの「タグ情報」を表示する仕組みは、このWAVEの仕様で決められているタグ情報とは異なる形で表示されているのではないかと思うのですが、どんなものなのでしょうか?

と言うことで、なかなか一般的に使えるような形でWAVEに「タグ情報」を埋め込むのは難しいと思っていたのですが、可逆圧縮ファイルをめぐるやりとりの中で「dBpoweramp」というソフトならば、その難しいことが「可能」だという情報をいただきました。

LINNが推奨する「dBpoweramp」

「dBpoweramp」はLINNがリッピングソフトとして推奨しているという話をどこかで聞いたことがありました。ただ、私の中では、LINNはあの馬鹿高い「DS」のメーカーと言うことであまりイメージがよくないのです。(^^;
そんなこともあって、「dBpoweramp」と言うソフトもスルーしていたのですが、WAVEに「タグ情報」が埋め込めて、さらにはその「タグ情報」が「GMPC」でも表示されるという話ならば、何時までも無視しているわけにはいきません。

早速にダウンロードして使い勝手を確かめてみました。

「dBpoweramp」

基本的には有料のソフトなのですが、機能制限のついたフリー版でも十分に使えます。CDをドライブにセットするとこんな感じで自動的にタグ情報やファイル名を追加してくれます。ただし、ネット上からタグ情報を読み込むのに少し時間がかかりますので、焦らないことが肝心です。

よほどマイナーなCDでもない限りは自分でタグ情報を打ち込む必要はないようです。

ところが、これを「GMPC」で再生すると、こうなってしまいます。

いわゆる「文字化け」です。
ただし、日本語を使わなければ何の問題もありません。

例えば、59年録音のカラヤン指揮 ベルリンフィルによる「英雄の生涯」だとこんな感じになります。

この状態でリッピングして「GMPC」で再生するとこんな風にきれいに表示されます。

おそらく、クラシック畑がメインの人はこれで全く困らないと思いますが、聴く音楽のメインが「J-POP」だといささか困った話になりそうです。

「lossless uncompressed」という裏技

そこで、「lossless uncompressed」という裏技があることを教えていただきました。
これは、なんだか論理矛盾みたいなファイル形式なのですが、「非圧縮のFLAC」のことです。「非圧縮のFLAC」なんて、「馬鹿安の高級品」「激安の高級リゾートホテル」みたいな感じで、最初は「このタイプのファイルの存在理由がいまいちよく理解できません。(^^;」などと言う失礼なコメントをしてしまいました。
しかし、どうしても非圧縮ファイルで日本語のタグ情報が上手く表示されないのならば、これは有力な選択肢になるかもしれないと気づかされました。

やり方は簡単で、ドライブにCDをセットすれば自動的にタグ情報を追加しますから、「Rip to」から「FLAC」を選び、エンコードで「lossless uncompressed」を選択するだけです。
なお、FLACで「lossless uncompressed」モードを選択できるのが「dBpoweramp」の強みでもあるようです。

これを「GMPC」で再生すればこうなります。

当然のことながら、タグ情報が日本語であっても何の問題もなく表示されます。また、「非圧縮」ですからフォーマットは「44.1KHz 1411Kbps」になっています。

ただし、この辺りのことは短期間の間にかなり大きく動く可能性もありますから、なかなか判断の難しいことです。
個人的には、当面はWAVEに英語表記でタグ情報を埋め込むという形で整理していこうかと思っていますが、実に持って判断の難しいところです。

リッパーによる音質の差異

それから、これはおまけみたいな話ですが、「dBpoweramp」と私がメインで使っている「PlexTools Professional」では少しばかり音の傾向が違うように感じました。
一言で言えば、「dBpoweramp」の方が音場の表現がより立体的になるような気がします。リッパーによる音質の差はかなり大きいことは、バイナリ比較しても差が出ることから「都市伝説」ではないと思うので慎重さが必要だと思うのですが、「dBpoweramp」はさすがにLINNが推奨しているだけあってかなりの優れものと見ました。

今後はもう少し様子を見て、有料版に乗りかえてもいいのかなと思っています。

6 comments for “WAVEファイルにタグ情報を埋め込む

  1. tapoism
    2011年12月18日 at 2:06 PM

    私はタグをmp3tagとtagscannerでつけてます。
    メインはtagscannerで99%事足りてますが、mp3tagでしかできない機能があるので、2つを普段使用しています。
    両方waveには対応していないようですが。

  2. tapoism
    2011年12月18日 at 2:08 PM

    tag scanner というソフトもいいですよ。

  3. arkroyal
    2011年12月18日 at 6:22 PM

    foobar2000でもwaveのタグ付けができますよ。

  4. juubee
    2011年12月19日 at 2:40 PM

    確かにリッピングしたWAVのファイルサイズは、PlexTools ProfessionalよりdBpowerampのほうが少しだけ大きいですね。でも、WaveCompareで比較したら一致しました。

    ファイル構造を詳しく知らないですが、タグ部はファイル後方にあって、その部分だけファイルサイズが増えてるだけのようです。音声部分に違いはないんじゃないかと思います。あったら、欠陥ソフトだと思います(笑)。

  5. 通りすがりのプログラマ
    2011年12月20日 at 7:26 AM

    >「WAVEで使われる主なタグ」
    そして、それぞれで使えるサイズは4 byteだと解説されています。

    タグのの種類を示すのが”fmt “や”LIST”という文字列4文字(4バイト)という意味です。その後4バイトのサイズ情報が来ます。

    >これが正しければ、私たちが必要なタグ情報は「コメントや著作権情報」の中に埋め込むことになると思うのですが、4 byteでは到底お話になりません。(日本語なら2文字です^^;)

    ですので、4バイトで示されるサイズ分(最大4294967295文字)の各種情報を格納することができます。

    上記のRIFF形式は、WAVファイル対応組込機器やMP3プレーヤでは比較的標準的に対応しています。

  6. やまさん
    2011年12月25日 at 12:59 AM

    こんばんは、やまさんです。

    私のほうでも色々調べていたのですが、

    mpd.confでは、以下の2つのパラメータしか指定できないので、
    filesystem_charset “UTF-8″
    id3v1_encoding “UTF-8″
    wavファイルに、id3v1タグを埋め込むことができなければ、
    wavファイルに日本語のタグは利用できないと思われます。

    ちなみに、GMPCの場合、カラムの編集ができるので、カラムにFile
    を指定すれば、ファイル名を表示することができます。
    こうすると、wavファイルであっても、Database>Directories>Fileと
    ドリルダウンすることで、なんとか日本語でアーチスト>アルバム>曲まで
    表示することができます。

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