クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~


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アンケートの結果と考察(--;のようなもの・・・



ブルックナー:交響曲第8番

  • クナッパーツブッシュ
78
  • カラヤン
67
  • シューリヒト
41
  • その他
34
  • フルトヴェングラー
33
  • 朝比奈
32
  • ヴァント
26
  • ヨッフム
22
  • セル
17
  • マタチッチ
15
  • ジュリーニ
12
  • ベーム
9
  • ハイティンク
8
  • レーグナー
6
  • フランツ
3

投票総数: 403


やはり予想通りクナが第1位になりました。次いでカラヤンと言うことで大方の予想通りの結果となりました。
おそらく、これはこの作品に何を求めるかによってチョイスが決まってくるのでしょう。
クナを選んだ人はブルックナーの8番に常識を越えた「巨大さ」を求めたのでしょうか?そして、カラヤンを選んだ人はこの作品にゴージャスな響きによる「美しさ」を求めたのかもしれません。
確かに、この作品にはとてつもない巨大さがありますが、同時に聞き手の耳をとらえる分かりやすい「美しさ」も満載されています。第3楽章の天国的な美しさや、第4楽章冒頭の金管群の咆吼を聞くと、ブルックナーもずいぶん無理してるなぁと思います。
ですから、どちらのベクトルをとってもいいと思うのですが、ブルックナーマニアはそう言う無理しているブルックナーの姿は見たくないのか、カラヤンベクトルやフルトヴェングラーベクトルは好きではないようですし、人によっては「間違い」なんて言い出したりもします。こういう反応は他の作曲家ではあまり見ませんから、そう言う意味でブルックナーというのは今もって日本人にとっては耳ではなくて頭で聞かなければいけない面をもっているのかもしれません。

<寄せられたコメントより>
「交響曲シリーズもついに大好きなブル8の番、ということではじめてコメント送ります。
最初はクナに入れようかと思っていたのですが既に独走状態だったので、全然人気がないジュリーニ(ウィーンフィルとの録音)に1票いれました。
前半の2楽章はいつものレガートのせいでブルックナーらしいゴツゴツした感じがすっかり丸くなってしまい、聴いていて少々ダルいのですが、そんなことは忘れさせてくれるほどアダージョがすばらしい!!ジュリーニ独特の歌い上げるような演奏と曲との相性が抜群で、永遠に続くかのような美しい音楽を30分間たっぷりと味わえます。第4楽章もクナのような「デカさ」が足りないものの全体的にはなかなか立派に仕上がっていて、全曲を通してみてもジュリーニの遺した録音の中でもっとも美しいものの部類に入るのではないかと思っているのですが、どうも知名度が低いようでちょっと悲しいです。前回の7番も含め、ジュリーニのブルックナーはもっと聞かれてもいいと思うのですが。

あと気になることとしては、シューリヒトの人気がクナと比べるといまいちですね。
ブルックナーファンの間ではクナと同等かあるいはそれ以上の評価を受けているブル8の決定盤の1つなのですが、あの飾り気のない演奏ではやはり一般受けはしないのでしょうか。たしかにブル8はメロディーの美しさも魅力の1つであり、ジュリーニのようなアプローチでも成功している演奏があるので、シューリヒトのブル8を聞くと引き締まった名演だとは思いつつもちょっと素っ気なさすぎるかな、と感じてしまうこともあります。
個人的には硬派なシューリヒトにはブルックナーの中期の交響曲あたりが一番似合うのではないかと思っています。特にウィーンフィルとの5番は「決して流暢ではないがぎこちなさを全く感じさせず」、「華やかではないが歌心をしっかりともっていて」、「どんなときでも高貴さ、曲に対する誠実さを忘れない」シューリヒトの演奏の魅力を存分に堪能できる超名演だと思います。(ブル5はシューリヒトをはじめヨッフム、ケンペ、クレンペラー、ヴァント、スクロバチェフスキ、さらにはフルトヴェングラー等個性派の名演がそろっているのでいつの日か投票コーナーを作っていただきたいです。でも、票が集まらないんだろうなぁ・・・・。)」

そうですね、今まで取り上げた作品以外にも「落ち穂拾い」みたいな感じで取り上げたいのがいくつもありますね。9番が終われば、さらに1番から落ち穂拾いをやってみたいと思います。熱いコメントありがとうございます。

なお、寄せられたコメントはほとんどが「その他」へのオマージュだったようです。それだけ録音に恵まれた作品だと言うことでしょうね。

「7番に続いて、またもやですがチェリビダッケに票をいれよう…と思ったのですが、項目がないので、迷わずその他にいれさせていただきました。(といってもシュトゥットガルトでの演奏ではなく、晩年のミュンヘンフィルとの演奏限定ですが。)

海賊版なのに何故か異様に有名になった「リスボンライヴ(1994年4月23日)」を聴けば、チェリのブルックナーの最高の演奏と言われるのも納得せざるを得ません。
チェリは音楽が停滞しているととられてしまう事もままありましたが、この演奏はCD1枚に収まっていますし、音楽そのもの自体も決して遅いようには感じないと思います。
また名手ザードロのティンパニにも完全に打ちのめされますし、特に3楽章以降は何も言葉がでてきません…ただひたすら身をゆだねるしかありません…。
余談ですが、この演奏は終楽章のラストでリテヌートしないのですね。それは他の曲でもブルックナーがよくやる手法である主題の音型をラストに持ってくるというやつで、その音型の原型をとどめるためにリテヌートしないという面白い解釈でありました。そして、もっと興味深いのは約半年前演奏(1993年9月) であるのEMIからでてるCDでは普通にリテヌートしていますし、テンポも遅い(こちらは2枚組になっている)のです。年をとるごとに遅くなっていったというのは必ずしも正しくないことがよくわかります。

以前某所で4楽章のみしか見たことはないのですが、日本での同曲のライヴ(1990年10月20日)もとてつもないもので、この曲が全ての交響作品の理想型だ、とチェリビダッケ自身が思っているのは伊達じゃないと、つくづく思いました。(「私が独裁者?モーツァルトこそ! : チェリビダッケ音楽語録」に載ってます。)

…というわけで、(ブル7のときに結構上位に食い込んでいるにもかかわらず)チェリビダッケが今回項目にいれられてもいないのは正直不服でもあります(^^;)」

賛否両論、議論沸騰のチェリ様ですね(^^;

「ユングさんが聞かれたことがないからかもしれませんが、ケンペの名前がこの一覧にないのは実に残念です。ケンペ/チューリッヒ・トーンハレ盤は入手が容易でない希少盤だそうですが、何が何でも手に入れて聞く価値がある名盤だと思います。

まさに奇跡の連続そのものの演奏です。言葉では表現できない。ただ、異様なまでに輝かしい煌きに包み込まれるとしか言いようがありません。

録音、実演で数限りなく聞いてきた同曲の演奏ですが、私個人としてはケンペ盤を真っ先に推したいです。

次点としては朝比奈/N響を支持します。まことにオーソドックスなアプローチであり、この曲の理想の演奏の一つの頂点だと思います。長らくこの曲の入門盤として支持されていたクナ/ミュンヘンpo盤は大変な名演奏ながら、録音が貧しいことを考えると、この朝比奈/N響盤はブル8の新しいスタンダードになりえる演奏だと確信します。」

一応、聞いたことはあるのですが・・・(^^;

「CDではクナッパーツブッシュやヴァントが評判高いかもしれません。
けれど、僕にとっては朝比奈隆/大阪フィル(2001年)のサントリーホールでのコンサートが今でも忘れられず、このCDに特別な思い入れがあります。
恥ずかしながら当時、予備校生だったのですが、鬱ぎ込みがちな日々にあって、朝比奈のコンサートは、入学したら大阪まで聴きに行くぞ、というモチベーションを与えてくれるものでした。
年数回上京する朝比奈のコンサートに備えて、毎月の小遣いを少しずつ貯めてチケット代に当てていたコンサート。感動しても鳥肌が立つことがあるんだということが分かった演奏でした。」

今回朝比奈に意外なほど票が集まりませんでした。残念ながら、地盤沈下は確実に始まっているようです。残念ですが・・・。

「数多名盤のある中、例によってスタジオ録音ながらライヴのようなヨッフム・ドレスデン国立歌劇場管、悠揚迫らざるジュリーニ・ウィーンフィル、どちらかを選ぼうと思っていたのですが、結局はこの曲を知る原点となったフルトヴェングラー・ベルリンフィル(1951年ライヴ)にしました。
思い入れの強い冒頭から、次々と映し出される心象風景。特にスケルツォの後半、辺りの景色が見る見るうちに変わっていくような表現をしているのは独りフルトヴェングラーだけです。それが多くのブルックナーファン(=某評論家ファン?)からは嫌われる原因になっていることは百も承知ながら、このデモーニッシュな魅力には抗し難く、また、どうしてもこの演奏でなければならない時があるので、他の演奏の素晴らしさを認めつつも、今回はフルトヴェングラーを選びました。」

騙されていると分かっていながら、でも彼なら騙されてもいいと思わせるものがありますね・・・。

「票はクナッパーツブッシュに入れますが、個人的には大町陽一郎さんが大阪の二つのオケを合同で指揮したものが一番しっくり来たのですが・・・。」

「ヴェルザー・メストはどうかな?
マーラーチックなブルックナーが聴けると思いますが。」

「あんまり人気ないみたいですけど、バレンボイム/CSOが予想以上にすばらしかったからその他に一票」

「好きな演奏は一杯あるのですが、1959年、ウィーンフィルとの初来日での演奏(日本初演)が刷り込まれているので、あえてカラヤンをあげます。」

最後に・・・、

「駅売りの奇跡
ユスタス・フランツに一票!!
ほんとに凄いんだって!!」

あえて最後の一人を選ぶのに、個人的好みでケンペを外してフランツをノミネートしました。(ケンペファンの人、ごめんなさい)本当に、最後の一人を誰にするかで悩んだのですが、あえて個人的わがままを優先させてもらったのですが、こういうコメントをいただいただけでホントにうれしかったです。おそらく知っている人はほとんどいないと思うのですが、本当にこれはいいと思います。
もし見かけることがあれば(ほとんどないと思いますが・・・)、お安いCDだと思いますので買って損はないと思います。

【リスニングルームの更新履歴】



[2024-05-17]

リスト:ペトラルカのソネット104番(Liszt:Deuxieme annee:Italie, S.161 Sonetto 104 del Petrarca)
(P)チャールズ・ローゼン 1963年12月録音(Charles Rosen:Recorded on December, 1963)

[2024-05-15]

サン=サーンス:ハバネラ Op.83(Saint-Saens:Havanaise, for violin & piano (or orchestra) in E major, Op. 83)
(Vn)ジャック・ティボー (P)タッソ・ヤノプーロ 1933年7月1日録音(Jacques Thibaud:(P)Tasso Janopoulo Recorded on July 1, 1933)

[2024-05-13]

ヨハン・シュトラウス:皇帝円舞曲, Op.437(Johann Strauss:Emperor Waltz, Op.437)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1962年録音(Jascha Horenstein:Vienna State Opera Orchestra Recorded on December, 1962)

[2024-05-11]

バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番 Sz.119(Bartok:Piano Concerto No.3 in E major, Sz.119)
(P)ジェルジ・シャーンドル:ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1947年4月19日録音(Gyorgy Sandor:(Con)Eugene Ormandy The Philadelphia Orchestra Recorded on April 19, 1947)

[2024-05-08]

ハイドン:弦楽四重奏曲第6番 ハ長調 ,Op. 1, No. 6, Hob.III:6(Haydn:String Quartet No.6 in C Major, Op. 1, No.6, Hob.3:6)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1931年12月2日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on December 2, 1931)

[2024-05-06]

ショーソン:協奏曲 Op.21(Chausson:Concert for Violin, Piano and String Quartet, Op.21)
(P)ロベール・カサドシュ:(Vn)ジノ・フランチェスカッテ ギレ四重奏団 1954年12月1日録音(Robert Casadesus:(Vn)Zino Francescatti Guilet String Quartet Recorded on December 1, 1954)

[2024-05-05]

スカルラッティ:20のソナタ集(4)(Scarlatti:20 Sonates Pour Clavecin)
(Cembalo)ワンダ・ランドフスカ:1940年3月8日~9日録音(Wanda Landowska:Recorded on March 8-9, 1940)

[2024-05-04]

スカルラッティ:20のソナタ集(3)(Scarlatti:20 Sonates Pour Clavecin)
(Cembalo)ワンダ・ランドフスカ:1939年1月9日,11日&12日録音(Wanda Landowska:Recorded on January 9,11&12, 1939

[2024-05-03]

スカルラッティ:20のソナタ集(2)(Scarlatti:20 Sonates Pour Clavecin)
(Cembalo)ワンダ・ランドフスカ:1940年3月8日~9日録音(Wanda Landowska:Recorded on March 8-9, 1940)

[2024-05-02]

スカルラッティ:20のソナタ集(1)(Scarlatti:20 Sonates Pour Clavecin)
(Cembalo)ワンダ・ランドフスカ:1940年3月8日~9日録音(Wanda Landowska:Recorded on March 8-9, 1940)