クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



AmazonでCDをさがすAmazonでケンプのCDをさがす
Home|ケンプ|ベートーベン:ピアノソナタ第11番 変ロ長調 作品22

ベートーベン:ピアノソナタ第11番 変ロ長調 作品22

(P)ケンプ 1956年5月4&5日録音



Beethoven:ピアノソナタ第11番 変ロ長調 作品22 「第1楽章」

Beethoven:ピアノソナタ第11番 変ロ長調 作品22 「第2楽章」

Beethoven:ピアノソナタ第11番 変ロ長調 作品22 「第3楽章」

Beethoven:ピアノソナタ第11番 変ロ長調 作品22 「第4楽章」




このソナタは素晴らしいものです

出版社に宛てた手紙にベートーベンはこのように書き記し、第1番の交響曲と同じだけの値段を要求しています。また出版に際しても「グランドソナタ」と名付けたようにベートーベン自身にとっては大変な自信作だったようです。

確かに第1楽章の伸びやかさ、第2楽章のロマンティックな音楽、そして最終楽章の整然としたロンド形式からはベートーベンの青春の歌が聞こえてきます。
ベートーベンの初期様式の最後を飾るのにふさわしい作品です。

第1楽章
 アレグロ・コン・ブリオ 変ロ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
第2楽章
 アダージョ・コン・モルタ・エスプレッシオーネ 変ホ長調 8分の9拍子 ソナタ形式
ロマン派のノクターンを連想させるような叙情的な音楽です。美しい!!
第3楽章
 メヌエット 変ロ長調 4分の3拍子
第4楽章
 ロンド アレグレット 変ロ長調 4分の2拍子

自然体で歌心に満ちたベートーベン


ずいぶん多くの方から、ケンプによるベートーベンをリクエストいただきました。正直言って、すでにシュナーベル、バックハウス、ナット、さらに一部欠落はあるものの準全集といえるギーゼキングとアップしているので、どうしたものかと悩んでいました。しかし、あまりにも多くの方から要望をいただき、中には「私の持っている全集を提供するのでアップして欲しい」という声までいただいたので、流石によっこらしょと重い腰を上げてこの数週間集中的にケンプのベートーベンを聴いてみました。そして、なるほど、これは多くの方が要望するだけのことはある、じつに見事な演奏だと感心させられました。

ケンプについては、ケンペン&ベルリンフィルとのコンビで録音したコンチェルトをアップしたときに少しばかり感想を書きました。
そこで、「なんとファンタスティックで深い感情に裏打ちされた演奏でしょうか。これを聴いていると、いじけた心のひだがいつの間にか伸びやかに広がっていくような心地よさに満ちています。」と書いたのですが、その言葉はこのソナタ全集の録音の方がふさわしいのかもしれません。

これは、何という伸びやかで自然体のベートーベンでしょう。堅くなったり、重くなったり、ましてや力ずくで押し切るようなところが微塵もありません。とにかく耳にしたときの心地よさは他に例を見ません。
例えば、8番のパセティックの冒頭、普通ならもっとガツーンと響かせるのが普通です。29番のハンマークラヴィーアにしても同様です。ところが、ケンプはそう言う派手な振る舞いは一切しないで、ごく自然に音楽に入っていきます。そして、その後も何事もないように淡々と音楽は流れていきます。あのハンマークラヴィーアの第3楽章にしても、もっと思い入れタップリに演奏しようと思えばできるはずですが、ケンプはそう言う聞き手の期待に肩すかしを食らわせるかのように淡々と音楽を紡いでいきます。
普通、こんな事をやっていると、面白くもおかしくもない演奏になるのが普通ですが、ところがケンプの場合は、そう言う淡々とした音楽の流れの中から何とも言えない感興がわき上がってくるから不思議です。おそらく、その秘密は、微妙にテンポを揺らす事によって、派手さとは無縁ながら人肌の温かさに満ちた「歌」が紡がれていくことにあるようです。パッと聞いただけでは淡々と流れているだけのように見えて、その実は裏側で徹底的に考え抜かれた「歌心」が潜んでいます。
おそらく、この至芸の背後にあるのはピアニストとしてのケンプではなくて、作曲家のケンプでしょう。そして、そう言う美質はスタジオでの録音よりはライブでのコンサートでこそ発揮されたと言われているケンプですが、どうしてどうして、この録音は十分すぎるほどそう言うケンプの美質がとらえられています。
もちろん、全部で32曲にも上るベートーベンのソナタを全て高いレベルを期待するのは無理というものでしょう。私見では、例えば23番のアパショナータに代表されるような、中期の驀進するベートーベンに関してはいささか物足りなさを感じます。しかし、全体としてみれば非常に高いレベルでまとめられた全集だと言えます。

また、録音に関しては大部分が51年に行われていて、ほんの数曲だけが53年と56年に行われています。ご存知のように、録音にテープが利用されるのは52〜53年からで、同じモノラル録音でもこれ以前と以後ではクオリティに大きな差があります。このケンプの録音は残念ながらそれ以前のものなので、これが後1〜2年ずれていればという思いは残ります。
ただし、万全な状態で再生すると、音楽的においしい部分は上手くすくい取っているので、この時期のものとしてベストに近いと思います。


この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



1051 Rating: 4.9/10 (74 votes cast)

この演奏に対するご意見や感想をおよせください。

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】

[2018-05-25]

シャルル=マリー・ヴィドール:オルガン交響曲より第6番「Allegro」&第2番「Salve Regina」
(Org)マルセル・デュプレ 1957年10月録音

[2018-05-24]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 ハ短調 Op.13
(P)ヴィルヘルム・ケンプ 1965年1月11日~12日録音

[2018-05-23]

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(管弦楽曲版)
ポール・パレー指揮 デトロイト交響楽団 1962年3月録音

[2018-05-22]

モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K364
ルドルフ・バルシャイ指揮&Viola (Vn)ダヴィッド・オイストラフ モスクワ室内管弦楽団 1959年3月22日録音

[2018-05-21]

ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68
カール・ベーム指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1959年10月録音

[2018-05-20]

バッハ:ピアノ(チェンバロ)協奏曲第5番 ヘ短調 BWV1056
(P)グレン・グールド ヴラディミール・ゴルシュマン指揮 コロンビア交響楽団 1958年5月1日録音

[2018-05-19]

ラヴェル:舞踏詩「ラ・ヴァルス」
ポール・パレー指揮 デトロイト交響楽団 1962年3月録音

[2018-05-18]

ベートーベン:ベートーベン:ピアノ・ソナタ第22番 ヘ長調 Op.54
(P)クラウディオ・アラウ 1965年10月録音

[2018-05-18]

ショパン:ノクターン 第2集
(P)モーラ・リンパニー:1961年録音

[2018-05-17]

ハイドン:交響曲第32番 ハ長調, Hob.I:32
マックス・ゴバーマン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1960年~1962年録音